樹木の貿易―林産物貿易自由化の陰と光
環境と貿易の議論が国際的な広がりを持つに到ったのは、国際的な環境NGOの力に負うところが大きい。NGOの議論はその場の政治状況に機敏に対応することに精力が費やされ、ポイントをついている面があるものの、体系的に展開した文献がweb上ではあまり見あたりません(違いますか?ガット自由貿易に関するNGOサイドからの批判は環境問題だけでなく南北間格差、国内での社会的不平等の拡大といった幅広いものですが市販されている書籍リストは市民フォーラム2001というサイトにありました)。そのような中で、1999年の年末WTOのシアトル閣僚会議を前にして、環境NGOの大御所であるWorld Resourece Institute (世界資源研究所)がまとめた、「樹木の貿易―林産物貿易自由化の陰と光」と題した報告書がまとまっていると思いますます。WTOの次のラウンドでの議論を視野に入れて輸出国側から提起されている「林産物貿易の関税撤廃」などの自由化提案に対して「森林の脅威になり森林保護の障害となる可能性のある貿易自由化は、森林保護についての政策が並行して実施されるまで、これ以上推進すべきでない」との主張です。その他に森林政策の国際化という観点からの提案がなされており大変参考になります。要旨と目次を和訳しました。原資料の掲載サイトのリンクとあわせて掲載します。

原文の所在地:World resource Insititute , Tree trade: Liberalization of international commerce in forest products: Risks and opportunities.
目次と要旨(仮訳)